ダニに関する基礎知識
「ダニ」というと、みなさんはどんな生物を思い浮かべるでしょうか。
どのようなイメージをお持ちですか?
おそらく、あまり良いイメージはなく、
ネガティブな情報ばかりお持ちかもしれません。
しかし、その生態について知れば知るほど、
私たちが勝手な誤解をしている面も多いことに気づくはず。
巧みな知恵を働かせて、必死に命をつないでいるその姿に、
親しみや畏怖のようなものさえ感じられるはずです。
同じ地球上に生きる仲間の一種として、
ダニの基本的な性質を学んでいきましょう。
ダニに関する基礎知識記事一覧
まずは敵を知ることから!ダニの種類
「実際にダニの姿を見たことがある」そのようにおっしゃる方は少ないのではないでしょうか。それでも、図鑑などに掲載されている写真のイメージから「クモに近いものではないか」「昆虫の一種でしょ?」と思われている方も多いことでしょう。正式には、ダニは昆虫ではなくクモに近い動物です。ダニ・・・節足動物門 蛛形網...
ダニのサイズはどのくらい?
最近、なんとなく身体がかゆい・・・。もしかして、ダニでもいるんじゃないだろうか!?ということで、寝具やじゅうたん、ソファーをまじまじと眺めてみるも、「あっ!いた!!」と肉眼で見つけられるのは稀ではないでしょうか。というのも、ダニのサイズは非常に小さいから。例えば、私たちの身近なところ(「家の中にいる...
ダニはこんな場所に潜んでいる!
ダニには、屋内(家の中)に生息しているものと、屋外(外)に生息しているものがいます。そのうち、私たちへの健康被害で話題に挙がることが多いのは、やはり屋内に生息するタイプのダニです。もちろん、野外に出かけた際に屋外のダニに刺されるケースもありますが、距離が近い場所に存在しているダニのほうが圧倒的に関わ...
見たことある?ダニのルックス(形状)
サイズが1mm以下の種類が多く、肉眼では確認しにくいというのがダニの特徴の一つです。「部屋の中でダニが繁殖していることに全く気づいていなかったけど、ある日、ホコリが動いているのを見てダニだと気づいた・・・。」なんて、恐ろしい体験談も・・・!そんなケースでも、ダニがどんな形状をしているのか?形は丸いの...
ダニの身体の仕組み
よく、「ダニはネズミに寄生して家の中に入り込んでくる」という話を聞きます。中には、人間に寄生するダニもいるのだとか。寄生・・・よく耳にする言葉ですが、具体的にどのような状態を意味するのでしょうか。寄生とは、他の生物の体表にくっついたり身体の内部に入り込んだりすることによって、その生物から栄養をもらっ...
ダニはどうやって増える?繁殖方法
ダニはどのようにして繁殖するのか?その疑問の答えを得るには、ダニの生殖方法について知る必要があります。ダニには、私たちと同じように「メス」と「オス」の個体がいます。その雌雄がなんらかの接触を持つことによって子孫を残すわけですが、具体的な方法は種類によって様々です。例えば、ケダニ類のオスは、意中のメス...
ダニの一生とは
私たちは胎児として母親の子宮内で10か月を過ごした後、乳児→幼児→児童→学童→青年→成人というプロセスを経て成長していきます。そして壮年期と老年期を経て死に至る・・・。では、ダニはどうなのでしょうか?寿命が約3か月と短いダニは、どのような一生を送るのでしょう。その一生をざっくりとまとめると、卵 → ...
家の中に潜んでいるのはどんなダニ?
わかっているだけでも50,000種類はいると言われているダニですが、私たちの身の回り、家の中にいるのはどんなダニなのでしょうか。【身体に“くびれ”があって、背中から顎の部分が見えない】カザリヒワダニ (赤褐色 0..35mm)イエササラダニ (白色 0.25mm)【“くびれ”はなく、背中から顎の部分...
ダニの移動距離ってどのくらい?
肉眼で確認するのが難しいサイズの種類も多いダニ。家の中をどのように動き回っているのか、移動距離はどのくらいなのか・・・気になりませんか?ダニはいつも一定の速度で歩くわけではないので歩行速度を正確に測るのは難しいのだとか。ただ、平滑な面を4〜6秒/mmで歩行したという計測データがあるそうです。秒速に換...
思わず釘づけ!ダニの動きを見てみよう
みなさんは、ダニの実物をご覧になったことはありますか?種類にもよりますが、大きいものでも数ミリ程度と小さいですし、姿を見てすぐに「あ、ダニだ!」と判断するのも難しい・・・というわけで、ダニがどのような形態の生き物でどんな動きをするのか?ということを具体的にご存知だと言う方は少ないのではないかと思われ...
ダニの誤解を解こう!
マダニが媒介する「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」のニュースが世間を騒がせて以来、ダニに対する誤った認識がますます強化されている感もあります。自分が寝ているこの布団にも殺人鬼のようなダニが潜んでいるのではないか。今夜にでも、自分もSFTSで死んでしまうのではないか・・・。人によっては、その不安...
北海道に生息するダニ
北海道と本州は、海を隔てているということで生態系にも違いがあるようです。みなさんも、「北海道にはゴキブリがいない」という話を耳にしたことがあるのでは?ただ、流通の活性化や住宅性能の向上により、最近では北海道でもゴキブリが目撃されるようになっています。北海道は、本州よりも蚊が少ないという説があり、実際...
ダニは夜行性?
布団の中、絨毯の毛の奥、食器棚の奥、クローゼットの奥。ダニが潜んでいる場所に共通するのは、「狭い」そして「暗い」。じめじめしていて暗い“すみっこ”を好むなんて、人間に例えると、なんだか陰気くさい人を想像してしまいますが・・・。光を好み、光に向かって進んで行く「走光性」の性質を持つ虫も多い中、ダニは「...
雑草に潜むダニ
山に行ったわけでもなければ、公園や河原の草むらに入った覚えもない。それなのに、自分が、もしくはペットがマダニに咬まれた!・・・その場合、一つの可能性として考えられるのは庭の雑草!まずはお庭の状態をご確認ください。ひょっとして、雑草が伸び放題になっていたりしませんか?マダニなど、屋外に生息するダニは雑...
ダニの天敵とは?
私たちは、他の動物の肉や植物を食べることによってそこからエネルギーを得て生きています。つまり、他の生物から“命”をいただいているわけですよね。同じように、他の生物たちもまた、他の動物を捕食したり、その死骸から栄養を得たり、植物の蜜を吸ったり・・・と、ある意味では「Give and take(ギブアン...
実は益虫?自然界におけるダニの役割
私たち人間の狭〜い世界では、「ダニ=自分たちの暮らしに害を及ぼす悪者」というイメージが定着している感があります。しかし、本当に私たちに悪さをするのはほんの一部のダニだけ。全部で5万種はいると言われているダニの中の、約一割に過ぎないそうです。それでも十分、多いよ!という方もいるかもしれませんが・・・、...