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ダニの生殖方法は多様

ダニはどのようにして繁殖するのか?

 

その疑問の答えを得るには、ダニの生殖方法について知る必要があります。

 

ダニには、私たちと同じように「メス」と「オス」の個体がいます。
その雌雄がなんらかの接触を持つことによって子孫を残すわけですが、
具体的な方法は種類によって様々です。

 

例えば、ケダニ類のオスは、意中のメスの周りをぐるぐる回って求愛します。
時々、脚でメスの背中に触るのですが、
それに対して何も反応してもらえなければ脈ナシ。
それ以上の進展はありません。

 

もし彼女が身体の後部を持ち上げるようなしぐさをしたら、
それはオスに対してのOKサイン!
オスは精子嚢を作り始めます。

 

ダニの生殖で特徴的なのは、

 

「メスよりもオスのほうが性的に早熟である」

 

ということ。
オスは先に成虫となって、やがて脱皮してメスになる若虫を探し出し
脱皮が始まるのを待受けます。
そしてメスの脱皮が始まると、それを手伝い、
終わると同時に交尾を行うのです。

 

ちなみに、繁殖するためにはオス→メスへと精子を渡す必要がありますよね。
この方法も多様で、
オスがメスに挿入器を通じて直接的に送り込む種類もいれば
パックされた状態の精子(精子嚢)を地面や草むらに排出し、
それをメスが拾い上げて自分で体内に取り込む種類もいます。

 

交尾して精子を送り込むタイプのダニは、
挿入器やメスを捕まえておくための吸盤があったり、
脚が太くなったり・・・と形態上でも特徴が見られます。

 

一方、専用の挿入器を持たずとも、鋏角や脚、口器に精子嚢を付着させて
メスの生殖口に運び入れるタイプのダニもいます。

間接的な生殖をするダニ

「生殖」と聞くと、直感的にオスとメスが直接交わる様子を
思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

 

植物であれば花粉や胞子を風や虫が運ぶという間接的な方法ですが、
動物はやはり、直接的な交渉を元にして繁殖しているのではないかと・・・。

 

しかし、ダニの中には、非常に間接的な生殖によって
繁殖することができる種類も存在しています。

 

まず、オスが生殖門(胸部にあります)を開き、
そこか精子が含まれた粘液を出します。

 

固まると、図のようにまるで風船のような形状になります。

 

 

これを地上に残して、オスは去っていきます。

 

するとそこへ同じ種類のメスがやってきて、その風船の上にまたがり、
自分の生殖門を開いて風船を体内に取り込みます。

 

これが、ダニの生殖行動。
オスとメスは顔を合わせることなく受精が成立するというのが面白いですね。

スゴイ!ダニは雌だけでも増殖できる!

人間界ではここ数年、恋愛に関しても仕事に関しても
あまりガツガツしていない「草食系」という称される男性が増えてきましたよね。

 

その一方で、安倍政権は「女性が活躍できる社会」を目指して
あの手この手で女性が活躍できるシステムを整えようとしています。

 

「まったく、男は当てにならんな!これからは女性の時代だな」

 

そんな声も聞こえてきそうな昨今ですが、
残念ながら私たち人間は男女両方がいないと繁殖できません。

 

ところが!ダニは違うんです。一歩先を行っているのです!!
「オスがいなくても繁殖できる」という驚きの習性があります。

 

ダニのオスは環境による影響を受けやすく、
厳しい環境下(化学肥料や殺虫剤がまかれているような場所)では生息できません。
しかしメスは生存することができ、単為生殖で増殖していくことが可能なのです。

 

単為生殖とは?

メスが受精を伴わずに卵を産み、その卵が個体になる生殖のこと。
メスがメスのみを産む「産雌単為生殖」、
オスのみを産む「産雄単為生殖」、
メス・オスの両方を産む「両性単為生殖」があります。
ダニに場合は「産雌単為生殖」で、メスだけが増えていきます。

 

ちなみに、環境条件が整うとオスは再び戻ってくるそうです。
思わず人間の世界と重ね合わせて

 

「どんな世界でも、男ってのは調子が良い性(さが)なんだな」

 

と思ってしまいました・・・。

まだある!ダニの生殖に関するびっくりポイント

このように、ダニは雌雄の交尾がなくても繁殖していくことができます。
愛だの恋だの、人間のような面倒くさい感情に左右されることなく、
ただただ、“生き物”として淡々とその数を増やしていくことができるというのは
種の保存という観点でも強いですよね。

 

10匹ほどのダニが
1ヵ月で1,000匹を超えるほどの数に繁殖するケースも少なくなく、
その繁殖力には度肝を抜かれます。

 

卵から成虫になるまで約10日ということで成長が早く
人間とは違って世代交代も早いので繁殖スピードは恐ろしいほど。

 

強力な殺虫剤をかけて、一見全滅したかのように見えても、
たった1匹の生き残りが数百匹オーダーで子孫を残すことも珍しくありません。

 

殺虫剤に強い性質を持つダニの子は、これまた薬に強い!
ということで、そこからどんどん増えていきますから
どんなに効く殺虫剤があっても「これでもう大丈夫」なんて安心はできないのです。

 

ダニの寿命は3〜4か月と言われていますが、
その間に100個以上もの卵を産みます。

 

一方の人間は、80年を超える人生の中で一人も子孫を残せないケースも。
単純に数値だけを比較すれば、「繁殖」という観点では
ダニのほうが一枚も二枚も上手と言えるのかもしれません。

 

生まない選択をする私たちと、産み続けるダニたち。

 

「超少子高齢化」と言われる私たち人間社会とダニの世界は、
まるで正反対であるようにも思われます。

 

「厄介者」「存在自体が迷惑」
なんてイメージを持たれやすいダニですが、
そのひたむきなまでの繁殖行動には崇高ささえ感じます。

 

生きて子孫を残すこと。
生物としてのごくシンプルな役割に忠実なその姿は、
人間にも見習うべきところがあるのかもしれませんよ。