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地球上で「最強」の毒とは?

地上で「最強」と言われる毒はどのようなものか。
みなさんはご存知でしょうか?

 

ここで取り上げたいのは、そのうちの一つである
ヤドクガエルの毒です。

 

ヤドクガエルとは「地球上で最も鮮やかなカエル」
とも言われる生物。
「アート」と呼ぶにふさわしいその色・柄から
ペットとしても人気のカエルです。

 

ヴィヴィッドな赤いカラーが目を引くイチゴヤドクガエル、
目の覚めるような美しい青が魅力のコバルトヤドクガエル、
黒×黄色のアーティスティックな柄が
“モード”を感じさせるキオビヤドクガエル。

 

鑑賞用としては「ぜひとも、我が家にも!」と思われますが、
このヤドクガエルの毒はわずか1マイクログラムで
人間一人を死に至らしめるほどの力を持っています。

 

コロンビアの先住民たちは、このヤドクガエルの毒を
吹き矢の先に塗って狩猟に用いていたのだとか。
これが、「ヤドク(矢毒)ガエル」の由来だと言われています

 

そんな恐ろしいカエルが庭に潜んでいたらどうしよう!
・・・と焦ってしまった方もいましたでしょうか?

 

大丈夫、このカエルは中米〜南米に生息している種類ですので、
日本でお目にかかることはありません。
(見つけたとしたら、それはペットとして飼っていたものを
放してしまったんですね・・・。)

 

しかしながら、

 

あるダニから、ヤドクガエルの毒と
同じ成分が検出されたのだとか!

 

一体、どういうことなのでしょうか?

ササラダニからヤドクガエルの毒が!

ヤドクガエルの毒と同じ成分が検出されたのは、
アヅマオトヒメダニというササラダニ亜目の仲間です。

 

具体的な成分名は、「プミリオトキシン」
筋肉の収縮を邪魔する作用があり、結果として
部分的な麻痺が生じたり、動作が困難になったりします。

 

心筋(心臓の筋肉)にも作用するので、
場合によっては死に至ることもあります。

 

従来は、

 

「ヤドクガエルはアリを捕食して、その毒を濃縮・蓄積する」

 

と考えられてきましたが、
アヅマオトヒメダニから検出された毒成分は
エサに由来するものではないのだとか。

 

つまり、

 

ダニ自身がその恐ろしい毒を作り出しているということなんです!!

 

このことから、

 

「アリがアヅマオトヒメダニを食べ、
それを食べたヤドクガエルが毒を蓄積する」

 

という構図が解明されたわけですね。
(※ヤドクガエルがアヅマオトヒメダニを食べることもあるそうです。)

 

この発見は、2005年に発表されたもの。
それまでは、アリがダニを捕食することさえ知られていなかったそうです。
それだけ、謎が多い分野だということなんでしょうね。

何のための毒?

では、アヅマオトヒメダニはこの毒を何のために使っているのでしょうか?

 

最大の目的は、「外敵の忌避」。

 

つまり、他の動物に食べられないように身を守るために
このような強力な成分を含んだ分泌物(毒)を出すわけです。

 

なるほど、弱肉強食の生態系の中にあっては、
このような賢い戦術がなければ
ここまで種を増やすことはできないでしょう。
「世界はダニだらけ」と言われるのも納得できます。

 

この他にも、仲間に危険を知らせるための「警戒フェロモン」や
仲間を集める「集合フェロモン」、
そしてカビから身を守る「抗カビ物質」など
ササラダニの仲間たちは様々な分泌物を使って身を守っています。

 

その生態についてはまだまだ謎の部分も多く、
今後の研究成果に期待が集まっているのだとか。

 

人間にとっては「いないほうが助かる」と思われがちな存在ですが、
ダニがいなくなってしまえば地球上の生態系は崩壊してしまうでしょう。

 

その賢い生存戦略に敬意を払いつつ、
今後の研究の発展に期待を寄せたいですね。